本邦ファンドが初のCLS決済を開始

1 August 2018

CLSが信託銀行と協働し、初めての本邦ファンドを決済サービスに迎え入れ

2018年8月1日

決済、プロセシング、データを提供する市場インフラであるCLSは、本邦ファンドがサードパーティとして初めてCLS決済に参加したと発表した。

運用会社であるフィデリティ・インターナショナルと資産管理専門信託銀行である日本マスタートラスト信託銀行(MTBJ)は、日本籍ファンドの外為取引として初のCLS決済を行った。これはこの先数年にわたり、バイサイドがCLS決済を利用する業界全体の協調した動きの先駆けとなる。

ブラウン・ブラザース・ハリマン・アンド・コー(BBH)が、フィデリティ・インターナショナルとMTBJをサポートし、BBHは、MTBJのカストディアンとして、国外の外国証券や関連する資金の移動業務を担当する。BBHは、MTBJの外為取引の決済のために、CLS決済へのサードパーティ・アクセスを可能にした。

今後予定される本邦ファンドのCLS決済への参加は、過去数年にわたる外為・証券市場関係者(金融庁に加え、信託銀行、運用会社、カストディアン、為替銀行、日本銀行、CLS)の間での議論と詳細な計画の結果である。バーゼル銀行監督委員会のガイダンスが、可能な限り同時決済(PVP決済)やネッティングを使うよう、すべての市場参加者に推奨したことを受けて、金融庁は日本のホールセール外為市場参加者に対してPVP決済の利用を促し、CLS決済の採用を後押しした。

すなわち、市場参加者間の協働に加えて金融庁は「外為決済リスクに係るラウンドテーブル」を開催し、業界関係者が協調することをサポートした。

日本は世界最大の外為取引センターの一つであり、アジアの外為取引の主要なハブである。本邦外為市場は、世界の店頭外為市場の取引シェアの6.1%を占めている。近年のクロスボーダーの通貨フローや海外直接投資の増加の恩恵を受けている一方、ファンドやその取引相手を含む幅広い市場参加者にとってエクスポージャーの拡大にもつながっている。

フィデリティ・インターナショナルのアセット・マネジメント・オペレーション・ヘッド、大島敏哉氏

「我々は分散投資ポートフォリオを管理し、国内外の幅広い取引相手に対するエクスポージャーに晒されている。CLS決済の導入により外為取引に伴うリスクの大部分を軽減することができ、我々のトレーディングとリスク管理において更なるコントロールと強化につながる。より多くの国際市場でCLS決済可能な相手との取引を拡大することは、顧客にとっての投資パフォーマンス改善やリスク削減の手助けとなる。」

BBHのマーケットサービスのヘッド、シャロン・マー氏

「弊社は海外のカストディアンとして、MTBJが国内円決済を日本国外におけるCLSのグローバルなリスク削減の枠組みにつなげることを手助けできたことに満足している。これは日本の為替市場にとって重要な一歩であり、グローバルなリスク削減標準を日本の資産運用業界にもたらすべく、今後もカストディのお客様と協働していきたい。」

フィデリティとMTBJの参加は、増加しつつあるサードパーティ顧客によるCLS決済への参加の最新の事例である。本邦ファンドビジネスの業界関係者は、二段階に分けたCLS決済導入で金融庁と合意した。当初フェーズ(2018年度下期)は、既存システムを活かすことのできるグローバルな運用会社や為替銀行の取引や、リスクの高い取引のCLS決済導入に専念する。本格フェーズ(2019年度下期・2020年度上期)においては、当初フェーズ以外の取引にスコープを広げる。

アジア太平洋地域のサードパーティによるサービスの利用者数は、2015年から12%増加した。2017年初め以降、本邦初の機関投資家、本邦初の事業法人、韓国初のファンドなどを含め、サードパーティのCLS決済参加が増えてきている。世界的には、CLS決済金額の22%がサードパーティの取引である。

CLSのヘッド・オブ・アジア、レイチェル・ホウイ

「サードパーティの決済サービス参加拡大は、外国為替市場の安定性向上を目指すCLSの戦略の重要な一部分である。日本における、BBHのサポートを受けたフィデリティ・インターナショナルとMTBJの参加は、銀行以外の機関投資家によるCLS決済利用ニーズの継続的な拡大を裏付けている。これは、投資家がより積極的に決済リスクを管理し、証券決済サイクルの短期化に合わせたグローバルな取引慣行により近づき、資金繰りの確度や可視化をさらに高め、CLSシステムに固有の流動性の有効活用のメリットを享受しようとするトレンドを反映している。

我々は、金融庁および金融業界と協働してCLS決済への参加を促し、CLSに固有のメリットを提供することによって、より強固で効率的な外為市場を構築することに今後も取り組んで参りたい。」

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